水害に備える

そろそろ今年も梅雨入りの季節。近年は各地で土砂崩れなどの水災が増えてきています。自分や家族の命、住まいや生活を守るために何が必要かを考えたいと思います。

災害は突然やってくる

10年ほど前、長雨の影響で実家に隣接する山が崩れ大量の土砂が自宅に流れ込んできました。一回目の落石があり危険なので避難をしようとした矢先に大量の土砂が崩れ自宅の半分を覆い尽くしました。幸い家族は無事でしたが、その時の土砂の崩れる音は今でも忘れることはできません。その地に20年以上住んでおり、「まさか崩れないだろう」と。まさに過信でした。

現在はマンションに移り住んでいるのですが、夜中に大雨が降った翌朝、目が覚めて窓を開けると周辺に水が溢れており川のようになっていて、そしてマンションの地下に設置している給水ポンプが止まりマンション全体の水の供給が止まってしまいました。たまたまお風呂の残り湯があったのでとりあえずは事なきをえたのですが、出勤前の準備が出来ずに慌ててしまいました。

ハザードマップの確認

土地のリスクの確認としてハザーマップで危険度を知ることが出来ます。ネットでも簡単に検索できますので自分が住んでいる地域を知っておくことが大切です。また、意外と知られていないのが「地名」です。昔の人はその地にちなんだ地名を付けていますので地名からも災害の危険性が読み取れます。例えば「龍」という文字は豪雨などの災害に襲われやすい土地を意味し、「蛇」は山の上から土砂が流れていく様子を表していると言われています。先人が後世に伝えようとした素晴らしい知恵です。

水害が発生したら

万が一、浸水が始まったら家具、家電を高い場所へ移動すること、車を立体駐車場の地下に止めている場合は早めの移動も忘れずに・・・。そして被害にあった場合には、その後に市区町村の支援制度を受けるために「罹災証明書」の申請が必要になります。そのためにも被害状況の写真を撮っておきましょう。

今、できること 現在加入している火災保険の見直しも大切です。「火災保険」なので水害とは関係ないかと思われるかも知れませんが、ほとんどの火災保険には水災がセットされています。保険内容を見直し、水災の補償の有無、また補償内容を見直してみてください。そして忘れてはいけないのはご近所との繋がりです。有事の際には声を掛け合うだけで安心します。日頃の挨拶などお付き合いを大切したいですね。

修繕積立金が足りない

街中を車で走っていると幕に覆われたマンションを見かけます。大規模修繕工事が行われているのが一目で分かるのですが、「このマンションの修繕積立金、上がるだろうな」なんてことを考えます。

マンション・修繕積立金

戸建とマンションの大きな違いに管理費と修繕積立金の支払いがあります。修繕積立金はマンションの老朽化に伴い10年~12年ごとに外壁の塗り直し、屋上防水工事や配管、エレベーターといった付帯設備のメンテナンスを行うために長期修繕計画を基に管理組合で積み立てていくものです。

金額は築年数によっても変わりますが平均で㎡あたり180円前後となっています。マンションの規模や付帯設備によっても金額が変わるのですが、1万円~1万5千円ほどかかり、管理費と合わせると所有者にとっては大きな負担となるものです。

私が所有するマンションも一回目の大規模修繕工事の後に次の大規模修繕工事に向けて修繕計画の見直しを行っていますが、資材の高騰、消費税のアップ、人件費の上昇等を考慮しますと、なかなかの必要金額となり修繕積立金の値上げの話し合いが行われています。しかし、新築時から年数が経ち、建物とともに所有者の年齢も上がり、リタイアをした所有者もいる中、修繕積立金の捻出にも困難な人もおり、金額見直しは難航しているのが現実です。

自宅を担保に融資

そんな中、日経新聞に住宅金融支援機構が老朽化の進むマンションの修繕を金融支援する仕組みを進める記事が掲載されました。自宅に住み続けながら自宅を担保に生活資金を借入れ、死亡後に担保物件を売却等をして借入の返済に充てるリバースモーゲージというシステムがありますが、この修繕積立金バージョンのようです。借りた人は生存中は利息の支払いのみを行い、死亡後に自宅を売却して借入金の返済を行うものです。

借り手本人も利息の負担だけで済み、また管理会社の滞納の心配もなくなり、劣化が進んで修繕の必要があるのに資金不足で工事が出来ないといった問題の解決の糸口になりそうです。しかし、借主が死んだ後、自宅を売却して返済となると自宅を相続人に残せない、また住宅ローン以外の借入が付くので生前に売却したい時はどうすればいいのか等の不安材料もあります。

管理組合の機能

購入時には住宅ローンの支払いにばかり気持ちが行ってしまいがちですが、管理組合の修繕積立金の残高や長期修繕計画を確認し、将来の修繕積立金の予定金額の確認も大切です。

そして何より管理組合の運営を管理会社に任せっぱなしにするのではなく、所有者一人一人が関心を持ってマンションの価値を守る意識を持つことが重要だと思います。長期修繕計画は5年ごとに見直しが行われますのでその際に修繕工事の内容を確認し、必要な工事とそうではない工事を選別し費用の軽減を図ることも忘れてはいけないと思います。

自分で創る賃貸での生活

何かと制約の多い賃貸住宅。そんな賃貸住宅の暮らしの中で、自分好みの壁紙に変えたり、棚を取り付けたり、キッチンを使い勝手の良いものに変えることができる自分の感性を活かして自分好みに変えられる賃貸物件が増えています。

一般的に賃貸住宅は入居時の現況受け入れとなっています。「収納スペースが足りない」「キッチンに食洗機を取り付けたい」などありますが、賃貸住宅は賃貸人による改築・改修が

基本的に禁止されており、また退去時の原状回復の問題も生じてくるため、不便さを感じながらもどうしても住む人が住宅に合わせているのが現状です。

そんな中、最近注目を浴びているのが改修可能なDIY型賃貸物件。

空き家活用を目的とした新しい賃貸契約スタイルで、築年数が古かったり、建て替えを前提としていたり、大家さんが修繕・改築に費用をかけたくないからと理由も様々ですが、入居者の費用負担で(中には大家さんが負担してくれるケースも!)、好みの内装に変更ができるのです。DIY可能な賃貸物件を検索できるサイトも出来ており、そんな手軽もあいまって人気が高まっています。改築可能な範囲は大家さんとの合意が条件となりますが、「躯体の内側なら自由に・・・」となることが多いようです。

自分好みにクロスを張り替え、必要に応じて棚を取り付けることもでき、また、照明や床材を変えるだけでも部屋の雰囲気もグッとグレードアップし、そして「人が家に合わせる」のではなく住まいを住む人のライフスタイルに合わせることが実現できるのです。

自分で考えて手を加えた住まいは想いいれも愛着もあり長期入居にもつながる為、結果的には大家さんも助かるといった、貸主・借主が幸せになれる素敵なシステムですね。

そこに住む人の個性を表現できる新しい住まいの形だと思います。

注意点!

借り手が自分好みに手を加えることは確かに便利で楽しいことなのですが、注意が必要なこともあります。その工事が建築基準法・消防法等に触れないことは勿論ですが、どんな工事をどこまでやって良いのかを大家さんと事前確認をしておく必要があります。例えば火災に関して言えば、建物・構造、その建物の所在地によっても異なりますが、火災の危険の高い箇所には難燃材料・不燃材料を使用しなければならないのですが、キッチン回りを可愛くしたいからといって燃えやすい素材で手を加えると火災の発生、ひいてはもしもの時に命に関わる原因となってしまいます。

手を加える前に専門家への相談を忘れずに!

賃貸か購入か。独身女性の生活設計

40代と言えば仕事も将来の展望もそろそろ固まってきて収入面でも充実してくる頃かと思います。40代独身女性の視点でたった場合、住まいは賃貸にするのか購入するのか大きな選択に立たされる時期です。

賃貸か購入か。

住宅営業に携わってきて実際にお客様に販売をしていましたが、その時にあれ?と気づくことがありました。来場されるお客様は主にご夫婦、独身女性でしたが、ご夫婦でいらっしゃった方は、そもそも購入するかを決断できていない方が多いのですが、独身の女性の方は「購入すること自体は決めています。あとは物件を決めるだけ。」の方が多かったのです。もちろんご夫婦の方ですとお子様の学校のことなど考慮することがあるのが要因なのかも知れませんが、「経済力がある女性は強いな・・・」と感動してたのを覚えています。

数年前に私自身もマンションを購入しました。賃貸にするか・・・。これは正直、選択肢にはなかったです。利益を生まない不動産を「負動産」と言って持ち家を反対する意見もありますが、この先、賃貸に住み続けるほうが自分にとってはリスクが大きく感じたからです。

年金生活になっても家賃を払い続けるなんて無理ですし、単身で定職のなくなった状態で賃貸に住めるのかといった不安の方が大きかったです。

そこで購入に踏み切ったのですが、物件探しの時に気を付けたことは・・・。

100%満足できる物件はあるわけないので絶対に譲れない条件を優先して探しました。第一は、立地面ですと、主要沿線沿い、駅から徒歩7分圏内。これは単純に電車通勤に便利だから。(飲み会の日でもタクシーを使わないで帰れます。)それと、駅の周辺なら将来的にも住環境が悪くなる心配は低いかなという考えからです。歳を取って車のない生活になった時に徒歩圏内に商業施設、病院、金融機関があると安心ですよね。それとプラスで、将来何かの事情で手離す必要が生じたときに駅近物件だと価格の下落率も小さいので。固定資産税は高いですけど・・・。

建物では築25年以内。これは住宅ローン控除を受けるためです。住宅ローン控除を受けるための条件は、中古の耐火建築物の場合は築25年以内の上限があります。控除額は年末時点のローン残高×1%が所得税から控除されます。控除しきれなかった額は、次の年の住民税から控除されます。これは大きな恩恵ですよね!私の場合は、この額を固定資産税の支払いに充当しています。

次に、住宅ローンの返済ですが、以前は「繰上げ返済を進めて総返済額を減らす」考えが主流でしたが、現在は低金利ですので慌てて返済する必要はないのかなと考えています。借入金額にもよるのですが、金利1%未満で借りているのであれば住宅ローン控除の恩恵を受けられる期間は繰り上げ返済をせずに11年目以降に返済をする。または、その貯蓄を、投信 など「運用」で増やすのも一つの選択だと思います。女性は「手堅く稼ぎたい!」と長期的目線で判断できるので投資では男性よりも成功しやすい分析結果もあるそうです。

女性の就業率7割を超える時代です。将来の自分の為の前向きな決断を女性でも出来る時代になったんですね。

お金を増やすこと

医療技術が進歩し、寿命が延びて長生きできることは良いことなのでしょうが、反面、「長生きのリスク」に備える必要があります。特に女性は男性と比較して貰える年金は平均すると少ない為、少ない年金で男性よりも長く生きなければなりません。

ひとりで生きていくために始めたこと

幸せな結婚をしてパートナーと伴に人生を歩んでいければ良かったのですが、どうも一人の快適さを知ってしまいました。

「貯蓄」これは当然ですよね。一人だと自分で働いて得た収入を全て自由に使うことができますが計画性を持つことが大切です。ついつい「自分へのご褒美」で無駄遣い?をしてしまうのですが、やはり老後はお金が頼りになるので早いうちから「お金を増やす」ことを意識しましょう。

「家の購入」これは本当に悩みました。夫婦揃っている方でも悩むくらいの大きな買い物を女一人で決定する。怖いですよね。「賃貸派」「持家派」か、人それぞれですが私は購入し、結果的に正解だと思っています。自分の城を持てた感覚です。歳を取って定職のない自分が賃貸に住み続ける負担、そして親族に保証人を頼み続けることを考えるとやはり「購入しかない!」と踏み切りました。家を持つことで自信もついて、そして住宅ローンを払って行くというプラスの意味での責任も出来て仕事の幅も広がります。

次に、「安定した仕事と収入」です。一人ですから誰に頼ることも出来ないですよね。たまには旅行も行きたいし、頑張っている自分へのご褒美もしたい。その為には頑張って稼ぐしかありません。たとえ部署異動があっても、たとえ転職したとしても自分自身の居場所確保のために力をつけておく必要があります。

そして、「自分への投資」です。自分の価値を高めるために資格取得の為の勉強をすることや、会社以外の世界の人たちとも常に交わることで新しい経験も出来ます。

池上彰さんの、『新たな知識や技術を身に付けることは働き続け、生きるうえで、欠かせない取組みです。学び続ける力は長い人生を歩むために備える力になってくれるでしょう』

の言葉が大好きです。

最後に、「お金を増やす」

お金の増やしかたはいろいろありますよね。iDeCoやつみたてNISA・・・。そして、最近女性の方の関心も増えてきている「マンション経営」。「マンション経営」と聞くとハードルが高いと感じる女性も多いと思うのですが、投資の中でも『ミドルリスク・ミドルリターン』と言われており、リスクを出来る限り避けたい、「安全志向」の方には実は向いているのです。不動産のオーナー(大家さん)となった後は、不動産の管理は専門の管理会社へ任せるので本業が忙しい会社勤めの方でも負担にならずに始めることができます。何より、女性の感性を活かせるのも特徴です。入居率アップや長く住んでもらえる部屋づくりのために、女性としての住みやすさを提案する楽しみも生まれます。

また、専門のFPに自分に合った、「お金の育て方」を相談するのも一つの手段だと思います。