人を許すということ

長く生きていると様々なことが起こります。意図せず犯罪を犯してしまうこと、犯罪とまではいかなくても何かの弾みで間違いを犯してしまうこと。
また、それは自分だけではなく、自分の子供、兄弟姉妹、身内にも起こりうることです。それに対し最近のネットでの攻撃はどうでしょうか。
まるで楽しむかのように大勢で袋叩きのように責め、逃げ場を奪ってしまう。芸能人だけではなく、一般人の方もこの攻撃に合う世の中になってしまっています。
「もし、自分だったら、もし自分の子供だったら・・・」同じことが出来るでしょうか。

「許さなければ許してもらえない」

ある番組で就職支援で受刑者に立ち直るチャンスを与える活動をされている女性編集者の方の活動が取り上げられていました。
刑期を終えて出所した3人に1人が刑務所に戻ってしまう日本。仕事がない、身内から縁を切られて頼る人のいない孤独などの支援不足が大きな要因のようです。
そんな方たちに「立ち直るChanceを与えたい」と彼女は全国の企業を開拓し求人者とを繋ぐ活動をされています。受刑者専用の求人誌「Chance!」を発行し、その求人誌に
救われた多くの方がいらっしゃいます。そして活動が軌道に乗るまでの紆余曲折を経て進んでいく彼女の姿に、観ていて頭の下がる想いでした。
彼女自身も若いころに挫折を経験し、そして助けてもらったという気持ちが原動力となっているそうです。
「許さなければ許してもらえない」彼女はそう話していました。「もしかしたら自分を許して欲しいから私はやっているのかも知れません。」と。
人を許すことは人のためではなく、自分のためなのかも知れませんね。心に大きく響いた言葉です。
私自身も若いころは人の間違いが許せず責める側にいたような気がします。「どうしてこんな簡単なことを間違えるんだろう」。
でも自分の子供が大きくなり社会人として働くようになると、会社の若い社員が自分の子供と重なってしまうことがあります。
「うわぁ、うちの子供もこんなことやってんのかも・・・」と考えると早々叱る気も失せてしまいます。それが良いことなのか悪いことなのかは判断しかねますが・・・。

「再出発できる社会へ」

私も振り返ると多かれ少なかれ挫折を味わって来ました。「もうダメかも知れない」八方ふさがりで身動きが取れなくなったこともありますが、そんな時に
手を差し伸べてくれる人がいたことで救われて今の自分があると思います。
これからの自分の人生はこれまで助けてもらってきたことを、今度は「今、助けを必要としている人」に少しでも返していけるものでありたいと願います。
国、自治体には経済的困窮者への支援制度が多くあります。しかし、その制度を知る、または利用する術のない人も多くいます。ブログやセミナーなどを通じて
一つでもお伝え出来たらと思います。

そして、相手の気持ちに寄り添える、そんな気持ちを持てる人が一人でも多く社会に増えるともっとより良い社会になると信じています。

ペットがいる生活

子供も独立してマンションでの一人暮らし。時間は自由に使え、空いた時間にスポーツジムへ通い、たまに近所の銭湯でのんびり温泉に浸かる。ほどほどの充実した生活で一人暮らしを謳歌しています。

突然、ペットがいる生活に・・・

そんな暮らしに突如参加したペットの「デグー」。アパートで一人暮らしをしている子供から突然連絡があり、「会社の研修に参加しないといけなくなったからその間よろしく!!」と、仕事から帰るとマンションの畳一畳分ほどのスペースにデンッと餌やオヤツやら飼育セット一式と一緒にデグーなるペットが置かれていました。

困ったのは私・・・。「デグーってネズミ???世話はどうするの??」。子供にLINEで聞きながら、そして仕事中にこっそりネットで飼育方法を検索しながら見よう見まねで世話をして二週間・・・。二週間後の私は、「その子」にベタベタになっていました。

デグーという動物はそんなにメジャーなペットではないのですが、人に懐きやすく高い知能をもつ動物です。「どうしてこんなにべた慣れするの?」っていうくらい懐いてくれ、その子が待っているからと残業もせずに急いで帰宅する生活スタイルになっていました。ですので子供が研修を終え、迎えに来た後、ガランとした部屋が無性に寂しく感じました。

ペットを飼う責任

寂しくて「ペット飼おうかなぁ」と思い始めてペットショップを覗いたり、ネットの里親サイトを見たり・・・。でもふと自分の生活を振り返った時、「私が仕事から帰るまで、この子は一人ぼっちなのか」「自分が急な病気で入院になったら誰に預ければいいんだろう」「長期間、留守に出来なくなるな」などペットの立場になって考えたとき、やっぱり無理だなと諦める結果となりましたが仕方のないことです。

先日、飼えなくなって預けられたり、また棄てられたりして動物愛護団体に引き取られた動物がテレビ番組で映されていましたが、怯えた目でカメラを見つめる犬や猫の姿に心が痛くなりました。

飼主の高齢化、生活環境の変化などでペットを手放さざるを得なくなってしまうケースもあるかと思います。人間も歳を取っていくので自分の残りの人生と相談をしながら最後まで見てあげられる覚悟が出来なければ我慢する勇気も大切ですね。 私はと言えば・・・You Tubeで他人がアップしてくれた「デグーの飼育画像」を見て癒されています。そしてたまに子供のアパートへ遊びに行き、モフモフ触って癒されています。

自由時間の使い方

休日や仕事後のプライベート時間をどう使っていますか?

ちょっと昔は「アフター5」なんて言葉があって終業の合図とともに上司や同僚と飲み会へ・・・なんて時代がありました。上司に誘われ飲みに行くのは当たり前。生活は会社を中心に回っていた時代です。

新しいライフスタイル

働き方改革が推進され、フレックスタイム制の導入など働き方の多様化も進み残業時間が減り自由に使える時間が増えてきています。スキルアップを図る為に仕事帰りに専門で学べる学校へ通ったり、またカフェで参考書を広げて勉強をする社会人の姿も多く見かけるようになりました。仕事もきちんとこなし、自分の時間も管理できている、時間の使い方の上手い人だなと思いながら見ています。

終身雇用制度の崩壊

業績は黒字であっても企業は早期退職者を募集する時代。企業に必要とされなければ40代半ばでリストラの対象となる厳しい時代です。どれだけ自分のスキルを磨き、求められる能力を身に付けるか、そして老後の生活資金の為に定年退職後も働き続けなければならない時代。スキルの向上を図ることは自分自身に武器を身に付けることに繋がります。

教育訓練給付金の活用

一定の条件を満たす雇用保険の一般被保険者等または一般被保険者等であった離職者が、資格取得の講座受講費用の一部を補助として受けられる「教育訓練給付金」。制度の内容が拡充されて給付上限額も引き上げられました。給付金支給の講座は厚生労働大臣指定講座のものに限られますが、仕事の知識・スキルを高めるため、新しい分野の仕事に挑戦してみたいといった人を支援します。給付制度には、「一般教育訓練給付」「特定一般教育訓練給付」「専門実践教育訓練給付」の3種類に分類されており、給付金の上限額、条件が異なりますので自分が受講したい講座がどれに該当するかを確認することも大切です。受講費用負担が大きくてもこの制度を利用すれば負担減につながり、また、通信講座・eラーニングを利用できる講座もあるので、仕事との両立も可能となるでしょう。

母子家庭 教育資金のつくり方

日本では離婚率が上がり、ひとり親世帯「母子家庭」「父子家庭」が増加していますが、

特に母子家庭の貧困率の高さが社会問題として取り上げられており、行政の支援が期待されています。シングルになって子育てをしていく上で、住まい・食費などの生活費を確保するのも大変なのですが、ここでは「教育費」について触れてみたいと思います。

子供の夢を両親の離婚が原因で諦めさせることのないよう、計画性をもって早めの準備を始めましょう。

一つ目の大きなヤマ、高校進学

当然ですが、公立か私立に通わせるかで大きく費用が異なります。そして公立に合格したとしても入学金、入学にあたっての制服代などの結構な額の準備金が必要となります。

どうやって貯金をすれば良いのか・・・。

子供が18歳に達するまで支給される「児童扶養手当」。支給額は所得に応じて異なりますが、全額支給ですと42,910円、子供の人数によって加算をされていきます。このお金は可能であれば「無かったもの」として生活費以外の口座で貯金をしましょう。そして義務教育の間は就学援助という制度もあります。就学援助で戻ってきたお金も全て貯金に回します。一番、貯金が出来るのは小学校に通う間です。この期間に貯められるだけ貯める!この意気込みです。

また、行政からの支援は実は割と充実していて所得が低い家庭のために進学後には「高等学校等就学支援金」「高校生等奨学給付金」などの助成制度もあります。学費が払えずに退学・・・なんてことのないように親も勉強をしなければなりません。

そして大学進学

やはり一番お金が必要となるのが大学入学。そもそも受験費用だけでも一万円札が何枚も飛んでいくのが現実です。滑り止めで受けた大学の入学金の支払期限が第一志望の合格発表前の場合は、入学の権利確保の為の入学金支払いも必要となり、これは入学を辞退しても戻らないので捨て金となります。

そして進学先が決まると国立大学であっても入学金だけで約28万円、プラス諸経費・教材費が必要となります。

夢を諦めさせないために

国立・私立で異なりますが、国立でも学費だけで年間約53万円ほどかかります。

(今後、値上げも検討されています。)

これに生活費を加えると貯金だけで賄うのは無理ですよね。

そこで利用をしたいのが奨学金制度。奨学金制度には「給付型」「貸与型」「免除型」があります。給付型は返済義務はないので良いのですが、貸与型については後々の返済負担をお子さんとよく話し合って決めることが重要です。免除型については、進学した大学別に審査があり、家庭の経済状況によって入学金、授業料の免除、半額免除を受けることができます。

また、金融機関から教育ローンの貸付を受けることも手段の一つです。そのためにもやはり親が正規雇用であることです。

私自身がシングルの道を選ぶ時に決意をしたこと。親の都合で決めた離婚で子供の人生の選択肢を削らないことです。親として出来ることは教育を受けさせることだと思います。そしてお金がないことで子供の進路を塞ぐことのないよう、先ずは親が進学のシステムを学び、行政の支援や進学先の軽減策を調べ、子供に進学への道を開いてあげることが大切だと思います。

認知症の方への支援

朝のニュース番組で「注文をまちがえるレストラン」の話題が放送されていました。

この「注文をまちがえるレストラン」は、認知症の状態にあるスタッフが料理の注文を取るレストランで、「注文した料理がきちんと届くかは誰にもわからない」レストランです。

「間違えることを受け入れて、むしろ楽しみましょう」という想いのもと運営をされており、お客さまもそれを承知されています。

間違えることを楽しむ

認知症への理解を深めてもらうのを目的として、厚生労働省内の職員向け食堂で開店もされ、接客をする方も受ける方も笑顔で食事を楽しむ様子が映し出されていました。このような取り組みは高齢化社会を迎えるにあたり大切であることは勿論なのですが、この映像を観ていると、自分の日常が何か目に見えないものに縛られている、そんな気持ちになりました。少しでも早く、丁寧な接客・相手へ100%を求める毎日に違和感を覚えるとともに、接客で何より大切なことは一生懸命に相手をもてなそうとする気持ちなんだと暖かい気持ちを覚えました。そして、あまりにも私たちは完璧を求めすぎているのではと。

加えて、高齢化社会に向けて、制度の充実を図ることも大切な第一歩ですが、一人一人が「間違えてもいいじゃない、そして間違えることを楽しもう」という気持ちを持てば自然と優しい社会が出来るんじゃないかと思います。

共に楽しく過ごせるように

高齢者向け施設でも、入所者が働いて収入を得る機会を設ける動きが広がっています。

生きがいを感じたり、生活費を補ってもらうことが目的ですが、「給料が楽しみだし、独りで過ごす時間が減った」と多くの利用者様の喜びの声が届いているそうです。

人手不足が深刻な介護業界では、人手不足を補う試みで、入所者の方に手伝ってもらい、現金に交換できるポイントを付与する制度の導入もされています。

以前、勤務していた介護施設では入居者の方にタオルをたたんでもらったり、テーブルを拭くお手伝いを頼んだところ、とても喜ばれて毎日、ご自身から手伝ってくださるようになった話を聞いたことがあります。最初は、ご家族よりクレームが起こったこともあったそうですが、生き生きと手伝う姿にご家族も安心されるようになりました。

歳を重ね、身体の自由が利かなくなると周囲に頼るしかなくなるのですが、人は最後まで誰かの役に立ちたい、喜んでもらいたいという気持ちがあるのです。

「いつか来た道、いつか行く道」という言葉がありますが、今、こうやって働いている自分もいつかは体の自由がきかなくなり、出来ていたことが出来なくなる、そんな時がやってきます。「出来なくてもいいじゃない」そんな優しい気持ちをもてる人が集まると、もっと生きやすい社会になるのですが。

子どもを産みたくない社会

少子化に歯止めをかけようと政府が政策を打ち出してはいますが少子化への加速を止めるにいたってはおらず、猛スピードで進んでいるのが日本の現状です。

諸外国でも子供を産みたくないと考える女性は増えていますが、アメリカやフランスの女性の産みたくない理由は「今のライフスタイルに満足をしているから」と積極的なものですが、日本の女性は「大変そうだから」といった消極的なものです。同じ時代に生きる女性で何故、こうも違っているのでしょう。

生き辛い社会

日本の女性の平均睡眠時間は1日7時間15分で平均より1時間以上短いというデータ結果があります。子育てと家事の負担が大きいのが主な理由です。「イクメン」と、子育てや家事に協力的な男性を褒める言葉がありますが、そもそも「協力」ということが既に家事・育児は女性がすべきものとの認識の表われなのです。

また、最近では公共の乗り物に「ベビーカースペース」が設けられており、幼児を連れた母親が利用しやすいような配慮もされています。取組自体は素晴らしいものですが、ここまで配慮しなければならない社会も考えてしまいます。わざわざスペースを設けなくてもベビーカーで幼児を連れた母親が乗車してくれば、みんながスペースを開けてあげれば良いだけなのに。

日本の支援制度

諸外国を見ますと、ノルウェーでは育休中の賃金がしっかり補償されており、またフィンランドでは出産から子育てまでを無料でサポートしてくれ、フランスでは大学までの学費が無料と、なかなか制度が充実しています。

ただ、日本の出産・育児への支援制度は実は諸外国と比較しても割と整っているレベルで、例えば、出産すると出産育児一時金が支給され医療費負担軽減になり、出産後は育児休業給付がなされ、育児休業取得の推進、労働時間短縮も推し進めており、仮に育児の為に退職をしても再就職の斡旋も行われています。その他にも低年齢児保育、延長保育、一時的保育事業の拡充などにも力を入れ始めています。

意識を変えること

子どもを産み育てる制度は整っているのに、なぜ女性は子どもを産むことに積極的になれないのでしょう。一つの理由として制度が周知されていないことです。そして大きな要因

として、いくら制度は整っていても周囲の意識が変わらなければ制度はただのお飾りでしかないということです。

職場において妊娠・出産をしている女性に対して行われる嫌がらせを示す言葉、「マタニティハラスメント」なんて言葉が取り上げられるほど、日本の女性はまだまだ生き辛いのです。

それは職場内だけでの問題ではなく、保育所の新設に住民の反対運動が起こる社会では

女性は出産に対して積極的にはなれないでしょう。そして、少子化で子どもが増えないということは、将来における新たな消費者、納税者が増えないということで、結果、社会の衰退へと繋がるのです。

もちろん、子どもを産む・産まないは本人の意思で決めることです。だからこそ、もっと女性が自由に生き方を選択できる、そんな社会へ変えていかなければ女性の意識が変わることはないのです。

「転職・出戻り」必要とされる人間になること

転職が珍しくない今の時代、企業側も退職者に対する意識が変化しています。

「アルムナイ制度」という言葉を聞いたことがありますか?簡単に言えば、「出戻り制度」。自社を退職した社員を再雇用する制度です。終身雇用が当たり前であった時代は、退職者を再雇用する企業は少なく、むしろ退職社員は「裏切り者」の扱いを受けていました。

しかし、終身雇用制が崩壊し、スキルアップの為に転職を試みる今の時代。人手不足もあいまって企業も「即戦力」として元社員を歓迎する傾向が見られるようになっています。

せっかく育てた社員に辞められると雇う側の企業も大きな損失を被り、退職者が続くと「去る者は追わず」などのんびり構えている場合ではなくなります。

欠員を補うために新卒入社社員数を増員したり、中途採用を積極的に行ったりしますが、たとえ同じ業種であっても社風に馴染めるかという点も重要で、結果、思うような成果が出なくなる懸念も生じます。そこで社風を知り尽くしており、再雇用後、すんなりと馴染める「元社員」は非常に価値のあるもので「企業資産」にも成り得るのです。

採用コストの費用・労力の削減、採用ミスマッチのリスクを避ける面でも、この再雇用制度は企業にとってメリットをもたらすものとして期待されます。

私が以前勤務していた会社でも退職者受入れ制度を導入していました。しかし、一度退職をした会社に戻るのは戻る社員側もやはり勇気を要し、待遇面が悪くなるのではと心配する声も聞こえたのですが、受け入れる会社側の姿勢は徹底しており、「たとえ会社を辞めた社員であったとしても改めて会社の良さに気付いてくれ、そして他の会社を経験して戻って来てくれれば、その経験は必ずプラスに働く」。そして即戦力となるのであれば、退職時と同じ待遇で受け入れる、そのような取り組みを行っていました。社外の様々な価値観を持ち込んでくれることが会社の業績アップにつながることに気付いていたのです。

出戻り社員の姿勢

受入れ企業側のことのみを書いてきましたが、何より戻ってくることを歓迎される人になることです。必要とされる人間となること。それは在籍中の実績はもちろん、社内での人間関係をどれほど構築できたかで変わってきます。

また、円満に退職すること。当然のことですね。

「終身雇用時代」の私たち親世代から見ると転職をして自分の力を試す今の時代の生き方はもしかするとマイナスに映っているかも知れません。でも大手企業でもリストラの推進、業務縮小が日常的に話題になる時代。社会で求められる人間となるために必要となるのは「自分の力」です。それは技術的なことかも知れないし、人脈かも知れません。また、それまでの経験も大きな材料となるでしょう。

確かに転職は精神的にも決して楽ではありませんが、この再雇用制度が充実してくれば自分らしく活躍できる場所探しがもっと可能になるかも知れません。

回想法

朝、窓を開けると何処からかキンモクセイの香りがします。暑い暑いと言いながらも季節は夏から秋へと移り変わり、そしてこれから冬を迎えていく、ちょっと切ない気持ちになる季節です。そして香りとともに昔の記憶が蘇ってきてほんの一瞬、ふんわりとした気持ちになれます。香りだけではなく、かつて聞いていたアーティストの曲が流れると、当時の様々な想いがよみがえることもあります。時間に追われる日々の中で過去を思い出せる瞬間です。

「回想する過程は、しばしば癒す力の効用がある」

癒し効果を利用した診療方法に「回想法」と呼ばれるものがあります。米国の精神科医が提唱したものらしく、2000年頃から普及された認知症予防・介護予防として取り組まれています。ただ昔話をするだけではなく、自身の楽しかった時期の記憶を楽しくおしゃべりすることで、脳への「快」の刺激によりポジティブな感情や記憶を引き出し認知症予防や進行の抑制にも期待できるそうです。過去を回想することが、精神安定や認知機能の改善につながることも。

この療法の対象は高齢者の方なのですが、新しい記憶を保つことが困難となった状態でも、若いころの記憶は保持されていることが多い特徴を活用しているものです。

昔のことを思い出して言葉に出してみたり、過去に自分と似たような体験をした人の話を聞いたりすることが刺激となり、脳への情報の出入りが増え、その結果、脳全体が活性化し、満足度や自尊心も高まり、認知症の進行の予防にもつながると言われています。

実際、回想法により認知機能、コミュニケーション力や気分の改善の効果も報告されています。

心を元気に

この回想法を意識的に取り入れることで仕事や時間に追われ慌ただしく過ぎていく日々の生活の中に、ちょっと過去を振り返って思い出に浸る時間を積極的に作ってもいいのかなと思います。心の安定はもちろん、昔のことを自力で思い出すようにすると、脳に新しい神経ができて、切れていた記憶の回路がつながるそうです。「記憶の筋トレ」をするように、思い出す癖をつけて、日々懐かしいものに触れて回想する習慣をつけると心の若返り効果にも期待が。

回想は自分の人生を振り返り、今後歩んでいく人生を再認識する積極的な動きのようにも思えます。もちろん、振り返りたくない過去もありますが、そこからも教訓を得ることが出来ればプラス作用となりますし、また過去の出来事を思い出すことが自分の人生を見つめ直すきっかけとなり、日々の生活への意欲を回復させることにもつながるのです。

過ぎ去ったことを思い出すことは後ろ向きなことではなく、過去と向き合い、これまでの 人生を振り返ることで自己の価値を見出そうというものなのかも知れませんね。

そしてそのことがこれからの人生を歩んでいくための活力となることでしょう。

「もったいない 食品ロスを減らす」

消費税増税が目の前に迫っている中、増税後は軽減税率が適用される「お酒・外食を除く飲食料品」「定期購読契約の新聞」以外は全て10%になってしまいます。増税後、実際はどのくらい負担が増えてしまうのか・・・。

キャッシュレス決済を利用してポイント還元なども言われていますが、効果はたかが知れています。(加えて期限付き)増税になるからと慌てて買いだめをしても不要なものを買ってしまい結果、無駄につながってしまいます。

家計の見直し、無駄の見直しをして増税負担分に負けない家計を作る方が効果は大きいように思います。もちろん、時間もお金には変えられない貴重なものではありますが、ひと手間加えることで、身体にも家計にもプラスの効果が期待できます。

食べられるにもかかわらず、捨ててしまう食品ロス。

恵方巻き・クリスマスケーキの大量廃棄が毎年問題視されていますが、大手コンビニも廃棄ロスの削減に取り組みを進めています。

例えば、消費期限の迫った商品を購入した顧客にポイント還元をして購入を促進しています。値引き商品の購入に対しても抵抗感も少なく、賞味期限が近い商品でもお得感から買う人も多くいます。加えて、コンビニの値引き商品の「Another Choice」といった表示もおしゃれで商品を購入しやすくてお財布にも優しくなります。

野菜の皮や根元、芯も調理次第で一品に。

食品ロスと言えば、消費期限切れ食品の廃棄というイメージがあるのですが、「食べられるものを捨てる」という視点からみれば野菜の皮を捨てることも食品ロスになります。

例えば、大根の葉。ビタミンも豊富で炒めて味付けをすれば立派な一品に。ブロッコリーの茎や葉、普通に捨てていましたが、ビタミンや食物繊維が豊富。料理の彩りにも欠かせない野菜・ニンジン。皮の近くにはベータカロテンが最も多く含まれ、皮ごと調理をしても味も変わらず手間も省けて一石二鳥。少しの工夫で今までゴミとして捨てていたものが生まれ変わります。廃棄されることが多い食品として「野菜」が多くあげられる中、健康面からも得した気分になります。

「もったいない」世界でも注目を浴びるこの言葉。

アフリカ人女性として初のノーベル賞を受賞したケニアの女性活動家の方が、「ものを大切にし、心豊かに生きてきた日本人の心・生き方そのものだ」「この言葉を考え直すことで、大量生産・消費型のライフスタイルを変革できる」と感激をされたそうです。

その物に対する「敬意」が込められている「もったいない」の言葉。

私たち日本人でさえ忘れかけているこの言葉をもっと大切にして、強い家計づくりに取り組みたいものです。

あおり運転という社会問題

危険なあおり運転が社会問題となっています。

ドライバーの9割があおり運転被害を経験ありとの調査報告があります。

日頃運転しない私でもたまに運転するとドキッとすることがあって、後方から車間距離をつめて威圧されたり、左車線を運転しているのに後ろからパッシングをされたり・・・。

警察は悪質なケースは道路交通法より重い刑法の適用も進めています。保険会社も対応を進めておりドライブレコーダーを貸与する自動車保険の特約に危険なあおり運転の対策機能を追加する保険会社も出てきています。あおり運転にあったときにドラレコのボタンを押すと、外部のオペレーターに警察への通報を依頼できる機能をつけたもので、不安を抱える契約者の需要に応えるものだそうです。他にもドライブレコーダーのGPSを活用して現在地を特定し、従来は自動車が衝突を検知したときにオペレーターが手助けをするシステムだったのを、契約者が危険を感じたときに自ら助けを求められるようになるものや、

他にはドライブレコーダーの操作で家族に助けを求められる機能の追加などもあるようです。

ドライブレコーダーを義務化にすべきだとの声も上がっています。

相手への抑止力、万が一の時の証拠にもなるので私も設置を考えています。ドイブレコーダーを搭載していることを周囲に知らせるステッカーを利用することだけでも抑止力になる効果も期待できます。

でも、その以前にもっと大切なことがあるような気もします。

「マナーを大切に」「思いやり」「ゆずり合い」の気持ちをもって運転すること。

例えば、前の車の速度が遅いとき、やはりイライラしてしまうことがあるのですが、そんな時には、「体調が悪いのかな」「この辺の道が分からない人なのかな」とか一旦、相手の気持ちになることで落ち着けるように心がけています。

自動車教習所に通っていたときに仮免で路上運転をしていた時にこちらが優先にも関わらず先に曲がった車に思わずイラッと来たのですが、隣に乗っていた教官に“怒ったら事故を起こすよ。そんな時には、「先に行ってくれて良かった」と思うようにしなさい。”と言われた言葉を今でも大切にしています。

自分では気づかないうちにあおり運転をしている可能性もあります。

そして自分もあおり運転をしていることもあるかも知れません。相手側がどう感じるか、自分ではそのつもりはなくても相手側には「あおられた」と捉えられることもあります。

例えば、クラクションを鳴らす長さ。クラクションの音の長さによって受け取り側、感じ方が違うと言う人は多くいるそうで、0.3秒くらいは注意喚起。0.5秒以上になると威嚇的な行為と取られることもあるそうです。

車の外からは運転手の表情を伺うことはできませんが車の動きで人柄が分かる分、より周囲に注意を払って運転をするように心がけることが大切です。

そしてゆずり合いの気持ちを持って相手のことを気遣える余裕をもってハンドルを握る。

ドライブレコーダーをトラブルの証拠残しの為ではなく、旅行先等の思い出を残す目的で設置する、そうありたいものです。