終身雇用崩壊 ワークスタイル変化の時代

「人生100年 70歳まで現役」そう言われている中で、大手企業が早期希望退職者を募り人員整理を始めています。対象者は45歳以上。45歳と言えば、子供が高校生・大学生、住宅ローンの支払いは残っていて、人によっては一番お金が必要な年代かもしれません。

人手不足じゃなかったの?

私の親世代は終身雇用が当たり前の時代でしたので、「寄らば大樹の陰」、大きな会社に入れば生活は安泰。私が就職活動をしているときにもより大きな企業を勧められましたが、当時はこんなリストラ時代が到来するなんてことは想像すらしていませんでした。

45歳前後の社員は年功序列型賃金で給料が高く、また、変化に対応しにくいなどと言われている年代で、言い方は悪いんですが企業にとってはお荷物的な存在に思われているようで、40代以上の社員を切って、若い社員を登用し新陳代謝を図りたい企業の思惑もあるようです。

人件費って単なるコスト?

企業が人員削減をすると企業の株価が上がったりすることがあります。「人」は、「企業が必要に応じて削るべきコスト」とみなされるからです。でも、会社が買われるときには、企業のブランド力は勿論ですが、人材の優秀さもまた重視されているのも事実なのです。

ポイントは「人の質」なのです。

ある人材コンサルティング会社の調査によると日本の大企業の社員は最近調査した23ヶ国で「仕事への熱意」が最低だったらしいです。終身雇用を前提に、社員の再教育をしない企業側の責任も問われていますが、やはり「与えられた仕事をしていれば定年まで安泰で、だから、荒波に飛び込むより会社にしがみついていたほうがいい」と考える社員の意識も問題のように思えます。私自身、数社の転職経験を経て今、思うこと。もちろん、辛いかったこと、挫折、後悔もありましたが、何より「経験」という金銭に変えることが出来ない財産を積み上げたと思います。

終身雇用の崩壊で、終身雇用という「ぬるま湯」を与え続ける力が企業になくなった今、働く人が自分自身で人生設計を考えなければならない時代がやってきました。「生きる力」が試される、そう思います。

そして、会社に所属はしても依存はしない、今後は副業ですら単なる収入の補填ではなく独立を視野にいれた大きな意味を持つ時代の流れがやってきているように思えます。 個人の能力が重視される、ひょっとするとビジネスチャンスなのかも知れませんね。